真剣に甲子園を目指していた。あのころの自分には、野球がすべてだった。
関東地方に住む60代の男性は嫌悪感をずっと抱き続けてきた体験がある。
野球の強豪校に入学すると、数十人の部員が生活する合宿所に入った。監督夫妻と一緒に生活しながら、練習に励んだ。
部では先輩の言うことには絶対服従だった。何を言われても「はい」と答えなくてはならない。「いいえ」、あるいは「なんと言いましたか?」と聞き直しても、拳が飛んできた。
放課後の練習を終え、合宿所に戻って夕食。午後10時ごろまでの素振りが日課だった。
子どもたちの心身とその後の人生を脅かす性暴力について考える企画「子どもへの性暴力」第6部は、子どもたちの間で起こる性暴力について取り上げます。
素振りをしていると、特定の先輩によく声をかけられた。
「午後11時ごろ、来て」
マッサージの依頼だった…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル